できることから、ひとつずつ。
はじめに、お伝えしておきます。外構で、水害を完全に防ぐことはできません。それでも、敷地に溜まる水を減らし、家へ流れ込む道をふさぎ、風で飛ぶものを先に減らしておくことはできます。このページには、そのためにできることを、お金のかからないものから順に並べました。
工事の話は、後ろのほうです。
土岐川は、県境を越えると庄内川と名を変えて、濃尾平野へ流れていきます。私たちが暮らしているのは、その上流にあたる土地です。この土地で過去に何が起きてきたかを知っておくと、自分の家のどこに備えるかが見えてきます。
| 年月 | 原因 | 公的機関の記載 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 1957年8月 | 秋雨前線 | 多治見市中心部のほとんどが浸水(岐阜県 4,540棟) | 国交省 庄内川水害史/国交省 流域の災害史 |
| 1959年9月 | 伊勢湾台風 | 庄内川・新川の13か所が決壊(岐阜県 6,227世帯) | 国交省 庄内川水害史/国交省 流域の災害史 |
| 1972年7月 | 秋雨前線 | 上流各地で被害甚大、死者6名(岐阜県 1,515棟) | 国交省 庄内川水害史/国交省 流域の災害史 |
| 1989年9月 | 台風22号 | 上流部で浸水被害(岐阜県 571棟) | 国交省 流域の災害史 |
| 1999年6月 | 梅雨前線 | 上流部で床上浸水31棟 | 国交省 庄内川水害史/国交省 流域の災害史 |
| 2011年9月 | 台風15号 | 多治見市の平和町・池田町・前畑町・田代町などで甚大な浸水(多治見の総雨量 496mm) | 多治見市 浸水対策/気象庁 災害報告 |
| 2026年9月 | 線状降水帯 | 庄内川が氾濫、多治見市・可児市に大雨警報 | 岐阜県危機管理部 |
国土交通省 庄内川河川事務所、多治見市、気象庁、岐阜県の公表資料に基づいています。棟数・世帯数は岐阜県内の合計として公表されている値です。
はじめの一歩に、道具もお金も要りません。
ここからは、工事の話です。困りごとと、その手当てを並べます。
多くの場合、原因は傾きの不足です。水が建物から離れていく向きに、地面の傾き(勾配)を作り直します。それでも溜まる場所には、雨水枡や側溝を足して逃げ道を作ります。地面の下に管を通して抜く、暗渠(あんきょ・地面の下を通す排水管)という手もあります。
車が乗る一面は、平らに固めるだけでは水が残ります。どちらへ流すかを決めて、目に見えないくらいの傾きを付けて打ちます(土間コンクリート)。透水性の舗装(水を地面に染み込ませる仕上げ)を選べば、面そのものが水を飲みます。ただし、土の質によって染み込む速さは変わります。
掃き出し窓(庭に出られる大きな窓)や勝手口は、水の入り口になりやすい場所です。止水板(水を受け止める板。使う時だけ差し込める形もあります)を付ける手当てがあります。玄関前に土のうを積む場所を、はじめから段差として設計に組んでおくと、いざという時に置くだけで済みます。
道路や水路そのものは市や県の受け持ちですので、私たちが手を入れられるのは敷地の側までです。境に数センチの段差を作る、土留め(土や水を受け止める低い壁)を立てる。それだけで、流れ込む量はずいぶん変わります。車の出入りがある場所は、段差の付け方を一緒に考えます。
浸透枡(水を地面に染み込ませる枡)や雨水タンクは、降った水をその場で受け止めます。まちの排水へ流れる水が減り、溜めた水は庭の水やりに使えます。市によっては設置に補助が出ることもありますので、調べてからお持ちします。
川があふれる氾濫は、外構では防げません。
下水や水路が流しきれずにあふれる内水氾濫も、外構では防げません。
道路・水路・河川は、市や県が管理しています。私たちが手を入れられるのは、敷地の中までです。
その時は、避難が最優先です。物より、人です。
東濃でも、恵那・中津川のあたりは雪の多い土地です。
台風・大雪・水の被害で外まわりが壊れた場合、ご加入の火災保険(風災・水災・雪災などの補償)で直せることがあります。フェンス、カーポート、門扉、塀——建物ではない外構も、補償に入っていることがあります。使えるかどうかは、ご契約の内容と被害の状況によりますので、ここでお約束はできません。ただ、写真の撮り方から保険会社への伝え方まで、分かる範囲でお手伝いします。
片付けてしまうと、被害があったことを示すものが残りません。手を付ける前に、この順で撮ってください。
多いと思うくらい撮っておいて、ちょうどです。
直す段になったら、外構の修繕・復旧のページに、直せるものと進め方をまとめてあります。急ぎのものは、お電話で先にお聞きします。
完全には防げません。ただ、敷地に溜まる水を減らし、家へ流れ込む道をふさぐことはできます。傾きと排水の手当てが要ります。
まず雨の日に、どこへ流れどこで止まるかを見てください。多くは傾きの不足です。勾配の取り直しや排水口の追加で変わります。
風災・水災・雪災の補償が付いていれば、使えることがあります。適用はご契約と被害の状況によります。まず写真を残してください。
積雪何センチまで耐えるかの等級があります。その量を超える前に雪を下ろせば、多くは持ちます。心配な年は、早めに下ろしてください。
物置と自転車を固定し、飛びそうな物を片付け、伸びた枝を落としておくこと。雨戸やシャッターは、前の日に動きを確かめてください。
内容と広さで変わります。枡ひとつの追加から、駐車場一面の打ち替えまで幅があります。見に伺ってお出しします。相談も見積りも無料です。
雨の日に、傘をさして家のまわりを一周してください。水が集まる場所と、入ってくる場所が分かります。備えは、すべてそこから始まります。
蓋を上げて、落ち葉と泥をすくうだけです。軍手とスコップで足ります。重い蓋や深い枡は、無理をせずお声をかけてください。
ホームセンターで袋と砂が買えます。市が配っている時期もありますので、お住まいの市の窓口へお尋ねください。玄関前に数袋あると心強いです。
道路や水路は市や県が管理していますので、そちらは市役所へご相談ください。敷地の側は、境の段差や土留めで受け止められます。
見に伺うのも、お見積りも無料です。
「雨のあと、ここに水が溜まる」——その一言から、一緒に考えます。
同じ土地で暮らしていますので、雨の降り方も、雪の重さも、だいたい分かります。